現在、宝塚バウホールにて絶賛公演中の鈴木圭作・演出の
星組公演 『摩天楼狂詩曲(ニューヨークラプソディー)』~君に歌う愛~。
8/12に初日を迎えた本公演もいよいよ佳境に入り、8/19から注目の役替わりのBパターン公演に。
そしてこのまま一気に千秋楽まで突っ走ります!
そんなまさに勢いのある舞台になっておりますが、今回は顔合わせの時に行ったスペシャル対談の模様をお伝え致します。
今作の演出家である鈴木圭氏と、主演の夢乃聖夏さん、相手役で娘役の音波みのりさん、
そしてBUZZPHONIC RECORDSのSin.とで行われた対談の模様をお楽しみ下さい!
2010.07.18 @ 宝塚歌劇団
『摩天楼狂詩曲(ニューヨークラプソディー)』~君に歌う愛~ スペシャル対談
鈴木圭(以下 K) : 初主演おめでとうございます。
夢野聖夏(以下 Y) : ありがとうございます!
一同 : 拍手!
K : 今回はロックとの融合という事でBUZZPHONIC RECORDSのSin.さんを迎えてる訳ですが、いかがですか?
Sin.(以下 S) : 正直、まさか自分が宝塚と一緒に仕事をするとも思わなかったですし、
あまりロックとも結びつかないってのが率直なイメージでしたが、
いざ蓋を開けてみたらバッチリ融合してて素晴らしいなと。
K : お二人はどうですか?宝塚とロックの融合について。
Y : 今回はリズム感のあるお芝居なので、いつも使ってる神経ではないところをいっぱい使っている感覚です。
結構星組はコスチュームモノだったり、時代モノで、国がフランスだったり、
ニューヨークはあまりなくて、イギリスとかヨーロッパ系が多かったんですよ。
なので、何年振りだろってくらい久し振りに現代モノをやらせて頂くので、そこに対しての意識とか、アンテナとか・・・
そうそう、現代モノはいかにリズム感を出していかなければならいかという難しさと、
あとは現代語になり過ぎてしまうのも難しいなと。
また(鈴木)先生が、昨日おっしゃって頂いた流れはちょっとずつ体に入ってきてるので、
あとは心の中に染み込むくらい稽古をしていきたいなと思ってます。
K : ナンシーはどうですか?
音波みのり(以下 O) : 私はこういうロックテイストは初めてだし、現代モノは初めてに等しいので
全部新鮮なんですけど、ロックテイストでお芝居も流れてスピード感があって、
そういう普段の自分の性格がのんびりな方なので、お芝居のテンポ感とかに
ちゃんと乗り遅れないようにというのが今の課題で、テンポに乗るというのもちゃんと感情もついてきて・・・
こう現代だからこそ感じ方も鋭いというか、そういう鋭さとかもうちょっとストレートに
お芝居にも出せていけたらもっと幅が広がって楽しくなるかなというのが初日までの課題なんですが、
稽古していて凄く楽しいです。
K : 二人はロックってどうなの?
Y : ロックって・・・正直未知の世界でした(笑)
O : 自分にあまり・・・見る側だけでした(笑)映像で見たり・・・。まさか自分が演じたり、舞台で表現側になるなんて・・・
S : 普段ロックは聴きますか?
O : 聴いたりはします。色々なジャンルを聴きます。
Y : でも、本当にこれ凄い!とか(笑)ここまで真剣ではないというか。
だからこそ凄く楽しいというか、新鮮で現代のお芝居をさせて頂いているのと、
ロックという新しい引き出しが増えるので、勉強する事が多くて24時間では足りない位です。
O : うん、本当ですね(笑)
Y : でも、ロックって熱いですよね。単純かもしれないですけど表現が。
S : そうですね。でもロックという言葉は色々なところにも当てはまって
芝居に真剣に取り組んでる方も自分たちからしたらロックだなと。
音楽だけが、ロックという感じもしなくて芝居でも熱く演じてる人もロックだし、
絵を描く方でも、その絵だけ見て「ロックだ!」とか(笑)
O : へぇ~(笑)
Y : だから熱いんですよね。何かに対して熱い!
S : 例えば、皆さんがロックに関係ないお芝居をやっていても、その舞台に掛ける情熱とか、
皆で舞台を作り上げていくそのものがもうロックだなと。
Y : そこがロックですね(笑)
K : 昨日稽古をご覧なられて、Sin.さんはナンシーに尋常じゃない位思い入りがあったようですが(笑)
S : ・・・・。
K : ロックな男から見たナンシーはどうですか?
S : さっきCM撮影の合間にちょっとナンシーにも言ったんですが・・・
ホントに素敵な彼女だなって。
ただ自分の場合それって若い頃を思い出してイイ彼女だなって思うのかなと。
でも若い頃だとお互い気づかない部分を多いから、そこに立ち戻ってナンシーを見たら、
なんてナンシーってなんてイイ彼女なんだ(涙)・・・と。
一同 : 笑
S : あの頃とナンシーがシンクロしてしまいまして・・・
でも、アンソニーの気持ちも十分わかるんです。こっちの方が当事者なので。
だから二人の掛け合いは本当に心打たれるんです。
音楽に限らず夢を追いかけてる人とかには是非観て頂きたいですし、
何よりバンドマンの彼女に観てもらったら絶対ナンシーに肩入れするはずです!
K : でも、今回はここまで来るにあたって前に彼女(夢乃)に言った事あるんですけど、
とにかく夢乃さんの初主演という事で、物語よりも先にまず「夢乃」というスタート台が僕の中にあったので、
それが大前提だったので、今の彼女に何がいいかな?と。
それで、アンソニーと夢乃聖夏っていう世界観がマッチするところをやっぱり土台にしたいなと思ってそこから始めたんです。
そうは言いつつも、そこからのストーリーっていうのは書いていく内に枝分かれに色んなパターンが出来たんだけれども
ふと思った時に今回のメッセージは明らかに夢を諦めない、夢をずっと追い続けるという希望的な
プラス的なメッセージをどうしても残したかったんです。
そこで現れるナンシーはとてもイイ彼女で、でも厳しくてアンソニーを助けたりもするし、
ただ助けるだけではなくて人生もちゃんとリードするような、そういうのを出したくて。
いわゆる漫画的な勝手なイメージでロックをやってる人はやっぱり商社マンとか違う世界にいるんだけど、
ナンシーはそっちよりにいて、でもアンソニーの良いところは夢を追い駆けているところが魅力なんだという
ところを引っ張っていきたいなと思ってナンシーという彼女像が出来上がって。
自分で書いていざ夢乃さんと音波さんの二人に演じてもらってるとやっぱり思いますよね、こういう彼女いいなって。
ナンシーは凄い理解しているし、ホントに男って馬鹿だな!って思うし。
それこそ会社に行ってどうこういうところとか・・・馬鹿だなコイツ!!って。若いときってありがちなんだよね。
一同 : 笑
Y
: 台本読んでて、アンソニー演じるけど自分は女性じゃないですか。なんで男って・・・なんで?なんで?
でも私は行かなきゃいけない・・・ん~っていう自分とアンソニーの男役のどっちも男として
考えなきゃいけないから男の気持ちを色々なものをみて勉強していくんですけど
ここでこうなったり切れたりってわかるんですけど女からみるとやっぱりアンソニーって...って感じで
ナンシーと同じ意見というか、でもそこが自分としては面白かったりしてて。
K : でもお芝居見てると阿吽の呼吸というか、絡みが良くて何倍にも広がっていきそうで書いた側も嬉しいし、
音楽も芝居を理解してマッチしてるしね。
Y : 音楽もドラマチックで何かドラマの作品のような感じで盛り上がりもあって。
K : うん、TVドラマ風にしたいなって。オープニングの最後のフリとかもAYAKO先生にお願いしてて。
O : だから、SEX&CITYみたいな歩き方でっていう。なるほど~(笑)
K : そうそう、そんな風にして欲しいって。だからロックって言ってもジャカジャカだけでなく、
切なく歌いたいからあえてJ-POP風ってお願いして。
Y : 今ミュージカルっぽいの流行ってるじゃないですか?芝居で言えば良いのに何故かそこで歌っちゃう??っていう。
でも、久し振りに・・・っていうのも何なんですけどちゃんと歌は歌で今から歌いますよ!
ていうプレパレーションがあるからすごく演じてても気持ちが分散しないというか集中できるといか。
K : そういう風に歌も心でバシって歌って、芝居も心の格闘で進んでくというのを出したかったであまりミュージカルテイストには・・・ね。
ま、途中アイスクレマンがね、一箇所何処で歌うんだってのはありますけど。そのぐらいで基本的は"心の歌"みたいな。
S : でも既に夢乃さんはもうホントにアンソニーにしか見えない。
どっからどう見てもロックシンガーですよね。だから圭先生さっき言ってた「夢乃」ありきの舞台に本当にマッチしてるというか。
K : ぼ...僕も思ってますよ・・・
Y : え?本当ですか??ギャグシンガーじゃないですよ?!
一同 : 笑
S : 基本バンドマン&ロッカーはピュアですから。馬鹿みたいに。
なのに音楽やってるってだけで偏見の眼差しで見られたりしますからね。世間からは。
だったらスーツ着てる奴が偉いのか?!っていう反発がね。エネルギーになったりもするというか。
Y : 自分も何かよくわからなくてインスピレーションというか感覚的になんですけど自分というものが世界対自分!みたいな。
俺はここで生きてんだ!俺は俺で生きてるんだ!2本の足で立って生きてるんだ!という考え方?
会社なんて入らねぇ。誰が作ったかわからない会社なんて入らねぇ!だったら俺が作るよ!
ってそういう考え方だったりするのかなぁって。
そのロックに夢中になるが故のすごくピーターパンのような少年的な感覚?いつまでも・・・みたいな。
あってます?
S : 確かに周りの仲間、バンドを一緒にやってる仲間も同じピーターパンのような感覚だからね(笑)。
K : まぁ、あとはやっていくだけかなと。方向性もできてきたし、そういうピュアさも出てきたし。
真っ直ぐさというか、ガムシャラに真っ直ぐに初のロックスタイルという事で楽しみですね。
Y : じゃあ、ここで今の私のキャッチフレーズを言っていいですか?
私はこの公演をやるにあたって観て頂くお客様にはハートウォーミングになって頂きたい、ハートがあったかくなってもらいたいというか。
ハートウォーミングプラス、パワースポットになればいいなって。今、はやってるじゃないですか?
やっぱり現代、疲れてる人もいっぱいいると思うので、観て頂いてパワーをもらえたとか、元気が出たとか
言って頂けるようにそこを目指して頑張りたいと思います。
K : ナンシーは?
O : そんなともみさんみたいなしっかりしたキャッチフレーズはないんですけど(笑)、
お客様が本当にいい舞台を観れた、宝塚らしくって前向きで、若い力で本当に下級生の子たちも頑張ってて
そういう舞台を観て喜んでもらえたり、楽しんでもらったりと色々な感情を持って
お家まで帰ってもらえたら嬉しいので、ともみさんともお芝居ここまではじめましての状態なんですけど、
一歩一歩ですけど一緒に進めていけてると自分でも感じてるので頑張りたいと思います。
K : バウホールをパワースポットに!
一同 : いいね~!
K : では、初日に向けてがんばっていきましょう!
今日はありがとうございました!
一同 : ありがとうございました!